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釦録

萌えメモ的な何か
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Dear my Future ①
まずはオンリーおつかれさまでしたー!

やー、楽しかったです、ほんとに…^///^
お礼とかは手ブロの方がいいかな、そちらでお世話になっている方ばかりだし。
普段stkさせて頂いている神々とおしゃべりができてしまうなんて、恐ろしいところやでぇ…

今日はくたびれてなんかぼーっとしてました。
昨日の試験…試験…一体どうなったんだろうね?
あはは☆



そして、続きはssです。

【諸注意】
・以前書いた記憶喪失話の続きです。
・よって、明るいわけがない。
・しかも続くっていう\(^0^)/




誰かがボクを呼んでいる。

耳元で、ワーンと耳鳴りがする。
それがうるさくて、誰がボクを呼んでいるのかわからない。
誰かの顔を見た気がした。でも擦りガラスを通して見ているように、誰の顔かもわからない。
誰かと何かを約束した気がした。でもそれが何だったのか思い出せない。
頭の中が塗りつぶされる。ぐるぐる、ぐるぐる。子どもの塗り絵のようにでたらめに。

こわい。

こわい。


誰か。



「おう、起きたか?小松。」

目を開くと、白い天井が見えた。勢いよく身体を起こす。
そこは知らない部屋だった。身体を覆う白いシーツも、ボクの知らない匂いがした。そして何より、今ボクの名前を呼んだ男の人のことをボクは知らなかった。
とにかく大きい。2mはゆうに超えている。首も腕も丸太のように太くて、ごつごつと盛り上がっていて、同じ人間だとは思えない。そんな人がボクと同じベッドにいる。

ボクは驚いて大声を上げた。

ボクはシーツにくるまり丸くなってベッドの隅っこで震えていたけれど、その人は動じることなく慣れた口調で自己紹介をした。
その人の名前はトリコさんというらしい。話ぶりにボクに対する害意は感じられなかったので、おそるおそる顔を出してトリコさんの顔を見た。青い髪と切れ長でちょっとつり気味の目、通った鼻筋、カッコいい人だ。左頬に三本の傷がある。ボクよりもずっと大きな男の人だけれど、にっと笑った顔は少年のような印象を受けた。
ボクは、一体ここはどこなんでしょうかと、トリコさんに尋ねた。

その後、トリコさんが説明してくれたことは、にわかには信じがたいことだった。

ボクは記憶喪失で、一日しか記憶がもたなくて、今のボクは20代の後半で、ホテルグルメのレストランで働いていて、トリコさんはボクのコンビで、食材を求めて一緒に数々の冒険をしたというのだ。
確かに、ボクは今どうしてここにいるのか全くわからないし記憶がない。でもそんな物語みたいなことがボクの身に起こったのかな?平凡なこのボクに。

首を捻るボクに、トリコさんはグルメケースに入った植物を見せた。きらきらと光る、ハートの形をした肉厚の葉っぱだ。こんな綺麗な葉っぱ、初めて見た。トリコさんは一緒にこれを食べようという。ボクは意味がわからないと思ったけれど、その葉っぱがあまりにも瑞々しくて魅力的だったから促されるままに歯を立てた。掛け声に合わせて噛みちぎる。
一口食べて驚いた。
軽く噛むと歯が跳ね返されるような弾力、爽快な葉の旨味と、程よい苦み、こんなおいしい野菜なんて食べたことな…

な…

あれ?


頭の奥で、何かがこの味に反応した。
この野菜を見たことがないはずなのに、ボクはこの味を知っている。
そして、改めてトリコさんの顔を見た。優しい瞳と、晴れ渡った空のように深い青。


ボクは、この人を知っている。


トリコさんはわしわしとボクの頭をなでると、「早く朝飯にしようぜ」と言った。
ボク達は居間に向かう。途中に大きなホワイトボードがあり、トリコさんが説明してくれた。そこには今日の予定や、人との約束や、届く予定の荷物や、今日の献立について書きこんである。
「これは昨日のお前からのメッセージだ。お前も、何かあったら明日のお前の為にここに書くんだぞ。」
確かにホワイトボードに書き込んであるのはボクの字だった。隣のちょっと傾いた走り書きのような文字はトリコさんのものだろう。かけあいのような文字のやり取りがあるのに、ボクはそんなことをした覚えが全くない。不思議だ。

昨日のボクは、トリコさんと一緒にいたんだなあ。


昨日のボクは、献立について詳しく書きこんでいた。台所にむかうと、下ごしらえがほぼ済んでおり、あとは火を入れたりだとか、盛りつけたりだとか、仕上げをするばかりになっていた。トリコさんは食材や器具の場所を教えてくれる。

ボク達は向かい合って朝食を摂った。作る時は「こんなに作るの?」と思った量だったけど、目の前で山のような料理を片付けていくトリコさんを見て納得した。
トリコさんはしきりに「やっぱり小松の飯が一番だ」と言ってくれる。顔の周りをいっぱい汚しながら、無邪気な笑顔を見せるトリコさんを見ていると、ボクはなぜだか泣きたくなる。胸が痛む。心臓を握られているみたいだ。

食事の片づけをしている間、トリコさんは木の枝に火をつけて煙草のように吸っていた。
ホワイトボードを見ながら、今日の予定を確認している。
「昼間は…なんもねーか。おっ、小松、グルメデパートで栗坊展やってるぞ。行くか?」
「えっ、栗坊って、あの最高の鍋職人の一人と言われてる?!いっいっ行きたいです!!」
「よーし、決まりだな!」
トリコさんは手に持っていた火のついた枝を灰皿に突っ込む。あ、やっぱり煙草だったんだ。栗坊の鍋かー、一度も見たことないんだよなあ。カタログで眺めるのが精いっぱい。本物が見られるなんてテンション上がるなー!ギガギガだ!
ボクは皿洗いのスピードを上げた。

出発の準備を済ませて今まさに出かけようとしている所で、トリコさんの携帯電話が鳴った。「悪ぃ」と一言言うと、トリコさんはボクからちょっと離れて電話に出た。
ボクは玄関前で待っていたけれど、トリコさんの大きな声が聞こえて、振り向いた。

「んだよ!今日じゃねぇといけないのかよ!」
「や、そんな大事な用事があるのかって…うーん」
「わかったよ。小松は連れて行ってもいいだろう?」
「はあ?オレ一人で来いって?!」

ボクはトリコさんに近づいた。トリコさんは電話を気にしながら目で「気にするな、もうすぐ終わるから」と訴えるけれども、ボクは首を振った。
「トリコさん、ボクは大丈夫ですから。大事な用事の方を優先して下さい。」
トリコさんはボクを見て何か言いたそうな顔を一瞬したけれど、ため息をついて、電話の相手に「わかった、今から行く。」と返事をした。
相手の返事を待つことなく、通話は終了された。

「じゃあ、オレはちょっと出かけるけれど、できるだけ早く戻るから、な?」
トリコさんは膝をついてボクの目線の高さに合わせて、何度もそう言った。
「わかりました、気をつけて行ってきて下さいね。」
留守番をするのはボクなのに、トリコさんの方が置いていかれる子どもみたいな顔をしている。ボクはかわいいな、と思ってしまい、ついトリコさんの髪に手を伸ばして触れてしまった。逞しい男の人なのに、思っていたよりもその髪は柔らかかった。指で撫でるように梳く。トリコさんの大きな手が、ボクに触れようとして、止まった。
そのまま、何もなかったようにトリコさんはその手をおろす。
「行ってくるな、小松。」
「はい。」
扉を開けて出ていくトリコさんの背中をボクは見送った。
バタンと扉の閉まる音が、いつまでも余韻のように残った。

ボクは自分の手のひらを見る。
トリコさんの手のひらを思い出す。


なぜだろう。
ボクはあの時、触れて欲しかった。




本当は3000字くらいでさらっと補足、って感じの予定だったんですが、これまだ予定してる内容の三分の一くらいしか書けてない\(^0^)/
本編と補足というよりは前編と後編という形になりそうです。

前回はトリコさん視点だったのでわかりづらかったかもしれませんが、今回傍から見たトリコさんの小松くん依存が異常です。
だがそこがいい!(キリッ
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