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釦録

萌えメモ的な何か
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あなたの心音を聴いて眠る
おおおー!7月ですね!
年齢、とったーーーーーーー!

手ブロの方でお祝いしてくださった皆様方、ありがとうですvv
今年はヲタでもリアでもお祝いしていただけて、吐血が止まりません。
皆様ありがとございま(ブハァッ!)


続きはゼブコマのssです。
おおお、しばらく文章書いてなかったからなんか変だ…何がどうとはわからないけど…

【諸注意】
・ゼブコマは純愛だと思ってる。
・でも蓋を開けたら若干病んでる(?)
・どうしよう、今までで一番ラブラブだ?!




ゼブラさんはいつもボクに先に眠るよう言う。

ボクはいつも見はりを任せるのは申し訳ないから、たまには先に寝て下さい、と言うのだけれど、なんだかんだでチョ―シ乗ってることにされて、ボクが寝袋にくるまって寝ることになる。
少し離れたところで腕を組んで遠くを見ているゼブラさんを見ながら、ボクは眠りにつくのだ。本当はもう少し起きていたいのだけれど、寝不足でハントに行くのかチョ―シ乗ってんな、とか言われてしまうので、ボクは寝袋の中で目を閉じる。


おかしいな、と思ったのは、ハントで共に野営をし始めてから5日目だった。


夜中に目覚めると、眠る前と同じ場所に同じ姿勢で同じようにゼブラさんが夜空を見上げていた。そういえば、今日の朝も同じように腕を組んで座り込んでいたはずだ。
ボクは寝袋を抜け出すと、ゼブラさんの元へとそろそろと歩き始めた。

音をたてないように気をつけていたけれど、小枝を踏んでしまい、枝が折れる乾いた音が響いた。ボクが思わずびくっと肩を震わしてゼブラさんの方を見ると、ゼブラさんはボクの方を見ることもなく口を開いた。

「なんでバレてねーと思ってるのか不思議だな。」

「はは…やっぱバレてましたか?」

「てめぇが目を覚ましたところから、オレは気付いてたよ。さっさと戻って寝ろ。」

ボクはゼブラさんの引き攣れた左頬を見る。ゼブラさんはこちらを向かないから、どんな表情をしているかまではわからない。ボクは言い付けを守らずそのままゼブラさんに近づいた。

ゼブラさんが気付いていないはずはないけれど、隣に行くまでゼブラさんは何も言わなかった。膝を抱えて隣に座りこむと、ゼブラさんの真似をして空を見上げた。都会から離れた大自然の中の夜空は、まるで黒い布に砂金をばらまいたかのようで、眺めていると時間を忘れてしまいそうだった。

「ゼブラさん、ひとつお聞きしたいんですけど」

「あぁ?なんだ」

「眠ってないですよね?」

「小僧にはカンケーねぇだろうが」

「眠って、ない、ですよね?」

ボクが一言ずつ区切ってきっぱりと尋ねたら、ゼブラさんは押し黙った。
ボクが信じるかどうかはともかく、ボクが寝ている間に仮眠をとっているとか適当なことでも言えばいいのに、それができないのが嘘の嫌いなゼブラさんだ。
こういうところはちょっと可愛いとか思ってしまうのだけれど、ダメだ、今夜のボクは少し怒っているのだから、眉を吊り上げたまま話を続けなきゃ。

「寝不足するとハントに響くって言ったのはゼブラさんじゃないですか!」

「うるせーぞ、小僧、黙りやがれ!」

「いいえ、黙りません!ボクが起きて見はりをしますから、ゼブラさんは睡眠をとって下さい!」

ボク達はしばらく睨みあっていたけれど、次どうなるかは経験からボクは知っていた。
ゼブラさんはふと目を逸らすと、オールバックの髪をがしがしと掻いて崩した。
ボクの顔を見ないようにしながら口に出す、続く言葉はびっくりするくらい小さい。


「眠れねぇんだよ」


「え?」


「こんなにうるさくちゃ、眠れねぇ」

ボクは周りを見渡して、耳を澄ませた。
生き物は見えるところにはいなかったし、虫の音がかすかに聴こえるくらいだった。時折風がゆるやかに吹いて、木々の枝や葉が擦れる音がした。
ボクがわかるのはそれくらいだ。

でも、ゼブラさんには、違うのだろう。
数十km先のコインの音を聞き分けるような聴覚を持つ世界がどんなものか、ボクには見当もつかなかった。


それなら


ボクはゼブラさんの腕の下を潜り、立てた膝を乗り越えて、ゼブラさんの懐に潜り込んだ。
なにしやがんだ小僧、とかチョ―シ乗ってんじゃねぇ、とかゼブラさんが怒鳴っているけれど、この際気にしない。
ボクはゼブラさんの脚の間に座り込んだ。分厚い胸板にもたれかかる。背中に熱と、ゼブラさんの心臓の音を感じた。この距離までくれば、ボクにもゼブラさんの心音がわかる。
ということは、つまり

「今、何が聴こえますか?」

「…どういう意味だよ」

「ボクには、ゼブラさんの心臓の音が聞こえますよ」

しばらくの沈黙の後、ゼブラさんは無言に耐えきれなくなったかのように息を吐いた。
ボクの頭の上で、ゼブラさんの低い声が聞こえた。

「お前の、心臓の音が聴こえる」

それだけじゃねーぞ、とゼブラさんは続ける。

血液が流れる音も
筋肉が収縮する音も
骨と骨が擦れて軋む音も
内臓が動く音も
唾液を呑み込む音も
上下の歯が噛み合わさる音も
まばたきの音も
髪が風になびく音も


全部聴こえる。


「なんだか恥ずかしいですね。」

「…言い出したのは小僧だろーが。」

「でもゼブラさん、ボク、どこかで、心臓の音って人を安心させるって聞いたんですよ。
ボクにはゼブラさんの世界を静かにすることはできないから、せめて、安心できる音で、ゼブラさんの世界を満たそうと、思ったんです。」

こうして

誰よりも何よりも近く、あなたの傍にいることで。



あなたの世界をボクの音で、埋め尽くして、しまおうかと。




ボクの言葉に返事はなく、ゼブラさんは「フン」と鼻を鳴らしただけだった。けれども、ボクの頭の後ろから聴こえるゼブラさんの心音は確かにボクを安心させてくれていて、だからこれはきっと効果あるんだよね、と、眠気で遠くなる意識の中でボクは思った。

夢と現実の境目で、大きくて無骨な手がボクの髪に指を通した。
それは岩のように硬くて傷だらけな手には似つかわしくない仕草で、そして同時にとてもゼブラさんらしかった。
壊れ物を扱うようにおそるおそる、ボクの頭は抱き寄せられて、胸板に押しつけられる。
心臓の音が近くなる。

とくん

とくん

ゼブラさん、今日はきっと眠れますよ。

とくん

とくん



だってほら、こんなにあたたかい。






なんで二人でハントに来ているのかについてはあんまり考えてなかった^q^
でもゼブラさんとコンビを組むパラレルワールドだってあっていい気がする!
だって小松くん絶対幸せになれるよ?!不幸になる要素がないよ?!
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