釦録
萌えメモ的な何か
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ssのタイトルが決まらない決まらない(ゴロンゴロンゴロン)
ラストまで書いてからつけるかタイトルから話作るかのどっちかなので途中では付けられないです。
だって…書いてる間に…話が変わる…(笑)
や、や、よく、あるよね!
※9/21 完成したからタイトルつけたよ!
んでは、続きを投下します。
【諸注意】
・トリコマです。
・暗くないけど、湿っぽいです。
・自分でも驚いているのですが、まだ未完です。
ラストまで書いてからつけるかタイトルから話作るかのどっちかなので途中では付けられないです。
だって…書いてる間に…話が変わる…(笑)
や、や、よく、あるよね!
※9/21 完成したからタイトルつけたよ!
んでは、続きを投下します。
【諸注意】
・トリコマです。
・暗くないけど、湿っぽいです。
・自分でも驚いているのですが、まだ未完です。
「わあ、トリコさん、これはなんですか?」
「ああ、それはな、黒草っつってな…」
あれから、ほどなくして小松は退院した。
身体だけ治すならすぐだという鉄平の言葉は本当だった。小松が入院している病院に訪れると、あっという間に後遺症もなく綺麗に治してしまった。
だが、記憶は戻らなかった。
よく話に聞くように、何かの拍子に記憶を取り戻すことをオレも初めは期待した。
まわりの人間もそうだったのだろう。代わる代わる訪れては、自分と小松の思い出話を語った。
だが、専門家達が言うように、小松の記憶は本当に失われてしまったらしい。
わざわざ自分を心配して訪ねてきてくれたにも関わらず思い出すことができないため、それを気にして日に日に表情が沈んでいく小松を見て、オレは「思い出させること」を諦めた。
代わりに、記憶を失う前の小松と今まで行った場所に連れていくことにした。
できるだけ当時と同じものを一緒に食べた。
そして、たくさん話をした。
オレはつい最近まで小松が同い年であることすら知らなかったけど、今はたくさんのことを知りたかった。
小松はオレと出会ってからの記憶はなくなっていたが、修行時代以前の記憶は残っていてたくさんの思い出話を聞かせてくれた。
小松も、徐々にオレだけには自分の失った記憶について尋ねてくるようになった。
記憶なんて、なくなってしまっても、いいじゃないか。
今、ここでオレと小松は笑ってる。
それでいいじゃないか。
失った時間よりも、もっともっと濃い時間を過ごしている自信があった。
美食屋としても、料理人としても、コンビとしても。
「小松」
「なんですか?」
その日はベジタブルスカイに来ていた。
雷雲を抜けた後の穏やかな空を見ながら、オレ達は芝生に寝転んでいた。
深く豊かな土壌の香りと青臭い芝生の匂い。
この匂いを嗅げば、オレは今日の事を思い出すだろう。
「今、幸せか?」
小松は一瞬目を見開いた後、眩しいものを見るように目を細めて、笑顔になった。
「はい!」
「それなら、よかった。」
オレは起き上がると、小松についてくるように促した。
鼻で匂いを確かめながら、向かった先はオゾン草だ。
協力して無事に葉を取り除くと、オゾン草の光輝く葉脈に目を輝かせている小松に声をかけた。
「小松、この食材は食べる時も二人同時でないとダメなんだ。」
「そうなんですか!じゃあ息を合わせて同時に食べないと!
本当にコンビプレイが好きな食材なんですね。」
「ああ。コンビの為にあるような食材なんだよ。」
小松はオゾン草を銜えたまま、背伸びをしてオレに差し出した。
オレはその高さまで屈むと、小松とは反対側に歯をたてた。せーの、と声をかけると、同時に噛みちぎる。独特の弾力が歯に返ってきた。爽やかな旨味と苦みが口の中に広がる。
これはあの日の幸せの味だ。
「あのな、小松。」
「はい?」
「これを初めて食べた日、オレは、お前にコンビを申し込んだんだ。」
水を打ったような静寂。
茫然としていた小松の大きな瞳に、徐々に涙が溜まり、頬を伝ってこぼれ落ちた。
一度こぼれてからは、とめどなく流れ落ちる。
足元のオゾン草の葉は、小松の涙をはじいて宝石のような玉にした。
オレは小松に向かって右手を差し出した。
「もう一度言う。オレのパートナーになってくれるか、小松?」
小松は小さな両手でオレの右手を包むと、しっかりと握った。
その手は小刻みに震えていて、その顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった。何度も、何度も、首を縦に振る。
「はい…はい…!もちろん、です…!
ボク…どうして、どうして、こんな大切なことを思い出せないんだろう…!
悔しいです…トリコさんが、ボクをパートナーに選んでくれた日のことすら、思い出せないなんて…!
申し訳ないです…ほんとに…申し訳ないです…」
顔を上げずに泣き続ける小松の両肩を、オレは掴んだ。
薄い肩だ。あの時もオレは、小松を守ることを約束した。でもできなかった。
傷付けて、そして、今ここで小松は泣いている。
たまらなかった。
「申し訳ないのは、オレの方だ。」
オレは小松を引き寄せると、そのまま抱きしめた。
あの時もオレは小松と抱き合ったけれども、あの時とは全く違う気持ちだった。
少なくとも、オレは。
「今度こそ、絶対にお前を守るから。」
おずおずと、小松の腕がオレの首に回った。
耳元で囁くような小松の声がオレの鼓膜を震わせた。
「ボクの方こそ、絶対に今日のこと、忘れません。」
この日、オレ達はもう一度コンビを組んだ。
「ねえ、トリコさん、帰りもやっぱり、自力…なんですよね?」
「もちろん!帰りは飛び下りるだけだから楽だぞ!」
「やっぱりだー!そんな簡単に言いますけどねー!」
「じゃあ、来ない方がよかったか?」
小松はぐっと言い淀むと、目を逸らして口の中でもごもごと文句を言った。
その頬は、心なしか赤い。その顔を見ていると、口の端がむずむずした。おのずと口角が上がってにやけてしまう。オレは小松の頭を撫でた。
「来て、よかった、ですよ。」
小松はオレの上着の端を摘まんで呟いた。ちらりと上を見上げる。
オレと目が合った。なんだか気恥ずかしくなって、お互いに照れ笑いをする。
ああ、どうか、このままで。
しかし、その二週間後。
オレの元に小松が再び倒れたという連絡が入った。
今日、これを書きながら私の12~13巻ほんとカバーふにゃふにゃだなって思ったんだけど、私のssってこの辺の補完話ばっかだよね。どんだけ結婚式好きなんだよww
びっくりするけど、まだ続きます。
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