忍者ブログ

釦録

萌えメモ的な何か
Prev | 2025/05 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 | Next
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

だから目を覚ましておくれよ
お友達のRさんのバクホンパロが好きすぎたので、続きのssを書いてしまいました。
何次創作だよって感じですがwww
本当はコメ欄漫画とかにしたかったんですけど、画が動かなくてつまんないから←←
あー、でも、文章書きもけっこう楽しいですね。
もっと練習してみようかなぁ。


【諸注意】
・ss制作は初めての残念クオリティ。
・鬱展開。リア充はログアウトしました。
・トリコさんが精神的にフルボッコ。情けないです。
・これでも私はトリコさんが大好きです。

ちなみにRさんには許可を頂いたのでリンクを貼っておきます。
私のはともかく、これは一見の価値あり!みて!みて!そして滾って!!
・元ネタ
・四天王サイド



目の前に建つのは白くて大きな建物。オレはIGOの総合病院を訪れた。
一般病棟を通り抜け、普段は入ることのない集中治療室へと向かう。

小松は、いまだに目を覚ましていないと聞いている。


小松が意識不明の重体に陥ってから、今日で一週間が経つ。
怪我の原因はハント中の転落。異常な気象で有名な崖を登る際に突風に煽られたらしい。共にいたトリコは突如現れた猛獣に気を取られ、反応が一瞬遅れた。
あまりにも単純で初歩的なミスだった。
他の誰よりもトリコ自身が自らを責めているのは明白で、そのことについては、誰もなにも言うことができなかった。
それ以来、トリコは家にも帰らず、小松につききりであるという。

「入るぞ」

扉がかすかに開いていたため、オレはノックをすることもなく病室に入った。
目につくのは白い壁と白いベッド、ベッドの周りを囲む多くの機械とそれを繋ぐさらに多くの管、そして、ベッドの脇に腰掛ける青い髪をした大男だった。
大男はゆっくりと顔を上げ、そして呟く。

「ああ・・・十夢か」

無造作に乱れた髪と口の周りに生えた無精髭が目立つ。家に帰っていないというのはどうやら本当らしい。肌は土気色で目の周りに深いクマが刻まれていた。おそらくよく眠ることもできていないのだろう。なによりも、オレの記憶にあるよりもその巨体は一回り縮み、頬はげっそりとこけていた。この男としては信じられないことに、十分な食事すらも摂っていないようだ。
けして短くはない付き合いの中でも、見たことのない友人の姿に、オレは少なからずうろたえた。そのことを隠すように、乾いた声で笑い、彼の肩を軽く叩く。

「どうした、また絞ったな、トリコ」

ははっ、と乾いたオレの笑い声は、病室の白い壁に吸い込まれて、消えた。
気づまりな沈黙が数秒、感情を感じさせないうつろな声でトリコはこう答えた。

「いや、ここのところ、余り食ってねぇからな…」

オレは、おもむろに自分の右手に提げた籠を見た。
この見舞いのために、今朝仕入れた中でも上等な果物ばかりをたっぷりと詰めた大きな籠だ。うちの妻さんが丁寧にリボンもかけてくれた。いつもだったら、この籠に一番に気付き、オレがダメだと言ってもこの男は食ってしまっていたに違いない。本当に食欲がないのだろう。この男としては、驚くべきことに。

「変だよなぁ…オレが食ってねぇなんて…」

オレの胸中を知ってか知らずか、トリコは話を続けた。オレに話しかけているようにも、独り言のようにも、どちらにもとれる口ぶりだった。

「オレさ、ずっと、一番辛いのは飯が食えねぇことだと思ってたんだ。
1000の言葉だって、握り飯一個にはかなわない。
まずは腹が膨れてから、他の幸せがついてくるもんだと心のどっかでそう思ってた。」

トリコは、話しながら小松の手を取った。意識のない小松の、力の入らないその手は小さくて華奢なこともあいまって、ひどく頼りなく今にも壊れてしまいそうに見えた。
そんな手を、壊してしまわぬよう、だが微かな動きも見逃さぬよう、トリコの大きな掌がそっと包む。

「でも、あの日の事が頭から離れないんだ。

こいつが最後に発した言葉は、オレの名前なんだ。
この手は最後まで、オレを信頼して、オレに向かって伸びていた。オレは間に合わなくて、この手を取りこぼしてしまった。大きな目にオレの姿を映したまま、小松は落ちていってしまった。あの一瞬が、何度も何度も、目を閉じると繰り返される。

…こんなに、オレの両手が無力だと思ったのは、初めてだ。」

注視しないと気付かない程度ではあるが、オレはトリコの手が震えているのを見てしまった。なんとなくばつが悪くなって目を逸らす。
この男がカリスマ美食屋と呼ばれるようになって久しい。きっとオレには予想もつかない程の数多くの修羅場をくぐってきたはずだ。死線をさまよったのも一度や二度ではきくまい。こいつの裏付けのある自信に充ち溢れた様子は、見ていて気持ちがよかった。
そんなこの男が、自分の自信が実は過信であり、驕りであったのではないかと疑い、葛藤している。見ていられないと思った。掛ける言葉がなかった。

「なあ、十夢」

突然名前を呼ばれ、驚いた。つとめて平静を装い、「なんだ?」と返す。

「なんなんだろうな、この気持ち。
こいつはオレのハントに自分からついてきたいって言った物好きなやつで、ちゃんと毎回遺書も書いてきていて、こういうことが起こる覚悟もしていて…
それなのになんでオレが、こんな気持ちになっているんだろうな。変…だよな。」

そんなのお前、と、大きな声を出しそうになってやめた。そんなの、決まっているじゃないか。わかっていないのはお前だけで、きっと誰だってオレと同じことを思っている。
けれども、今ここでそのことに気付くのは、こいつにとってあまりに残酷なように思えた。
そう、ここでオレが指摘して、無理やり気付かせることじゃない。
トリコ自身が気づいて、目を覚ました小松に伝えてやるべきだ。

だからさ、小松。


早く目を覚ましてやれよ。





よくRさんと語るのが、「トリコさんは一度痛い目を見るべき」なんですよねww
そこからこの話が生まれたりとか。
小松は最初からトリコさんのことが大好きでひっついてきてそばにいて、どっかでそれが当たり前だとかトリコさんが傲慢にも思っていて、そうでないことを思い知ったときの絶望感に私は萌えます(鬼か)
PR

Comment

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード   

TrackBack

TB Address:
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
手ブロ
pixiv
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
性別:
女性
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ | [PR]

Material by Quartz